医者脂肪肝の改善にはお酒を控えましょう
健康診断の結果を見るたびに、こういう文字を目にします。
ただ、「お酒はそんなに飲んでいないのに…」と思う人も多いのではないでしょうか。
自分もそうでした。20代前半は仲間との飲み会も多くそれなりに飲んでいましたが、20代後半からはビール腹が気になるようになり、自然と量を減らしていました。30歳で脂肪肝と診断されたころには、週にビール1缶飲むかどうかの頻度です。
世間一般の感覚では「週1缶=ほぼ飲まない」に分類されると思います。自分もそう思っていたので、脂肪肝の原因がお酒とは考えませんでした。
この記事では、そんな「飲まない側」に属していた自分が、なぜさらにほぼゼロになったのか、そのプロセスを書きます。「禁酒を頑張った」という話ではありません。
※本記事は筆者の個人的な体験・調査に基づくものであり、医療的な診断・治療を目的としたものではありません。体調に不安がある場合は必ず医療機関にご相談ください。
γGTPが正常でも脂肪肝になる
肝機能の検査項目のひとつにγGTP(ガンマGTP)があります。アルコールへの感受性が高い数値で、飲酒習慣がある人ほど高くなりやすいとされています。
自分は30歳から38歳まで、毎年計測したγGTPが11〜17の範囲で推移していました。基準値(50以下)の半分以下です。
この数値だけ見れば「アルコールは関係ない」という結論になります。ただ、γGTPが正常であっても、飲んでいる間は肝臓がアルコールの処理を最優先するため、脂肪の燃焼は止まります。週1缶でも「その夜は脂肪燃焼が止まる」という事実は、γGTPには反映されません。
「飲まない人は大丈夫」ではなく、「少量でも影響はある」という認識の方が正確です。
アルコールが脂肪肝に悪い仕組み
アセトアルデヒドが肝細胞を傷つける
アルコールを摂取すると、肝臓でアルコール → アセトアルデヒド → 酢酸という順に分解されます。この中間産物であるアセトアルデヒドが活性酸素を通じて肝細胞を傷つけ、炎症の原因になります(参考:大正製薬「飲み過ぎは脂肪蓄積のもと!肝臓とお酒の関係」)。
γGTPが正常でも、このプロセスは毎回起きています。
飲んでいる間は脂肪燃焼が完全に止まる
肝臓はアルコールの分解を最優先します。そのためアルコールが体内に残っている間は、脂肪をエネルギーに変えるプロセスが止まります。ビール1缶が分解されるまでの時間は個人差がありますが、概ね2〜3時間とされています。夜に飲めば、睡眠中の脂肪燃焼にも影響が出ます。
コルチゾールが増えて筋肉が分解される
アルコールはコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増やします。コルチゾールは筋肉のタンパク質を分解してエネルギーに変えるため、筋トレで積み上げた筋肉へのダメージになります。
これが、後で書く「ほぼ飲まなくなった理由」に直結します。
お酒を減らすと肝臓はどれくらいで変化するのか
減酒・禁酒後の変化について、医療機関やクリニックが公開している情報をまとめると以下のような目安があります(参考:さいとう内科クリニック「禁酒の効果はすごい!」)。
- 1週間以内:肝臓の脂肪と炎症が減少し始める
- 2〜3週間:睡眠の質への変化が出始める
- 1ヶ月:血液検査の値が基準値に近づくケースが報告されている
ただし自分の場合、減酒単体で改善を確認したわけではありません。食事管理・筋トレ・減酒をセットで取り組んだため、どれがどこに効いたかの切り分けはできていません。
「減酒だけで数値が戻る」と過度に期待しない方がいいと思っています。実感としては、食事管理の方が数値への影響は大きかったです。減酒は「改善を邪魔しない」ための取り組みという位置づけでした。
脂肪肝と診断されてもお酒を控えようとしなかった
30歳で脂肪肝と診断されたとき、お酒を控えようという発想はありませんでした。
週1缶しか飲んでいない自分にとって、「飲酒を減らす」というアクションは選択肢に入っていませんでした。むしろ食事の内容を変えることや、運動習慣をつけることに意識が向いていました。
この認識が変わったのは、筋トレを本格的に始めてからです。
ほぼ飲まなくなった本当の理由
筋トレの効果が「もったいない」という感覚が生まれた
35歳からフリーウエイトを本格的に始めました。重量が少しずつ伸びていく中で、食事・睡眠・休息を意識するようになりました。
そのタイミングでアルコールとコルチゾールの関係を知りました。「筋トレで作った筋肉が、アルコールで分解される」という事実が引っかかりました。
「せっかく追い込んだのに、その夜の飲酒で一部が壊れるのか」という感覚は、「健康のため」という動機よりずっと具体的でした。お酒を「やめよう」と思ったのではなく、「飲む理由がなくなった」という方が近いです。
コンビニの無料クーポンが来たときだけ飲む
コンビニのアプリへ定期的に届くクーポンでお酒が無料になることがあり、そのタイミングでは飲んでいます。
意識して禁酒しているわけではなく、こういう機会以外で飲む理由が自然になくなった、という状態です。
ノンアルコールビールで気づいたこと
お酒をほぼ飲まなくなってから気づいたことがあります。自分が好きだったのは「お酒」ではなく「炭酸」だったようです。
食事中に飲むのは基本お茶ですが、仕事終わりや休日にくつろぐときに炭酸が飲みたくなることがあります。そういうときにノンアルコールビールを飲んでいて、アルコール入りと比べても物足りなさはほとんど感じません。
最近はノンアルビールの種類が増えて味も上がっているので、選択肢として普通に成立しています。
飲み会をどう乗り越えるか
20代から「飲み会来ないキャラ」を確立していた
20代の頃から、仕事終わりにやりたいことがあり、時間もお金も飲み会に使うのが勿体ないという感覚がありました。そのため仕事関係の飲み会に参加することが少なく、「この人は飲み会に来ない」というキャラクターが自然に定着していきました。誘われる頻度自体が下がっていくので、これが一番ストレスが少ない形でした。
参加するときに断る言葉
どうしても参加しなければいけない飲み会では、お酒を勧められたときに「帰ったら子供の面倒を見るので」と伝えています。子育て中のサラリーマンには共感してもらいやすく、角も立ちません。
飲まなくなってから変わったこと
睡眠への影響
アルコールは「寝つきをよくする」効果はありますが、睡眠の質自体は下がるとされています。飲む機会が減ってから、翌朝の目覚めが変わった体感があります。
数値にどう出たか(自分の場合)
ALTの年別推移を振り返ると以下の通りです。
| 年度 | ALT | 主な状況 |
|---|---|---|
| 2018年 | 59 | 脂肪肝と初診断 |
| 2022年 | 52 | テレワーク開始・ジュース習慣で再上昇 |
| 2023年 | 24 | 16時間断食・筋トレ本格化の時期 |
| 2024年 | 39 | 子育てによるジム中断で再上昇 |
| 2025年11月 | 36 | 食事管理・筋トレ・減酒をセットで本格化して改善確認 |
2022年から2023年にかけてALTが52→24と大きく下がった時期は、16時間断食を試みながら筋トレも続けていた時期と重なります。どの要素が主な要因かは切り分けられませんが、生活全体を変えようとしていた時期に数値が動いたのは事実です。
まとめ:「やめよう」としなくても自然に減る仕組みができた
振り返ると、「お酒をやめよう」と意識したことは一度もありません。
筋トレを続けたことで「飲む理由」が薄れ、子育てで「飲み会に行く機会」が減り、ノンアルで「炭酸が飲みたい欲求」は満たせることがわかりました。
結果として、意志の力に頼らずにほぼ飲まない状態になりました。
| 変化のきっかけ | 結果 |
|---|---|
| 筋トレ開始 → アルコールで筋肉が分解されると知る | 飲む理由が薄れた |
| 子育て → 飲み会を断れる理由ができた | 飲む機会が自然に減った |
| ノンアルで代替 → 炭酸が好きとわかった | 物足りなさがなくなった |
脂肪肝の改善のためにお酒を減らしたいと思っているなら、「禁酒を頑張る」より先に、この3つの状況を作ることを考えてみてください。

